佐藤の正体を調べるにあたって、最初の手がかりとするべきなのは、やはり「薬局」でしょう。私はマロン町の薬局を検索してみることにしました。マロン町は人口の少ない地域ですが、日本の他の田舎がそうであるように高齢化が進んでおり薬局はそれなりの数が…

「kasucaさん、くるみは本当に関係ないから。俺が保証するから、安心していいよ！」佐藤は澄み切った瞳で、私にそう言い切りました。佐藤はくるみとも面識があるようです。きっと、職場でも来局する患者にこんなかんじで自信たっぷりに説明しているのでしょ…

「手ぇ、ふるえてるよ」グラスを持つ私の手が、小刻みにふるえているのを、佐藤は目ざとく見つけて指摘してきました。自分ではまったく気づいてはいなかったのですが、どうやら私はかなり緊張していたようです。場所はすすきのの居酒屋。彼と佐藤の3人での飲…

悶々とした回想は、まだまだマグマのように湧き出してくるのであった！！ 【以下、怒りの回想録つづき】一度だけ、彼が私に、友達を紹介してくれたことがありました。薬剤師の佐藤ダイキ。 新キャラです。佐藤は、彼の中学時代の同級生ということでした。同…

役所からの書類が届く間、彼のことを回想していました。出会って2回目の飲みの席で、 結婚して って言ってきたなぁそんな男の人初めてだったから、とても戸惑ったなぁでも、同時に少しうれしかったのも事実。はっきり言って、彼は決してかっこよくないし、む…

婚姻届と借用書の住所には、『谷川大輔』という人物の家族が住んでいるようです。次に私は、『谷川大輔』の戸籍を取り寄せることにしました。市のHPを参考にして、書類を整えます。【戸籍を取り寄せるのに必要なものたち】○交付請求書○手数料（￥300）分の定…

私を騙した男は、『谷川 大輔』と名乗っていました。住基カードも借用書も婚姻届も『谷川大輔』。けれども、彼の名前が本当に『谷川大輔』なのかは、まだ分かりません。とても近い人、例えば親友や、親戚、兄弟、はたまた近所の人の名前を騙った可能性もあり…

思い切って、彼の実家？とおぼしき場所に電話してみたところ・・午後6時より早い時間は不在で、留守番電話のメッセージが響くのみでした。が、日を改めた何度目かに午後7時頃にかけてみると・・・「はい、谷川です」 ガラガラ声のおやじさんが出た！！ その…

『住所でポン！』を使ってわかったこと ○マロン町1-3250（仮）に住んでいる電話回線契約者の名前 ＝谷川孝輔（仮） ○マロン町1-3250（仮）の電話番号 谷川孝輔は、やはり彼のお父さんなのだろうか？？そして、マロン町のこの住所には、彼も住んでいる？思い…

『住所でポン！』（http://t.co/IhwopUaBMW）は、過去の電話帳をもとにして作られた、法人・個人のデータアプリです。住所から検索していくことで、その住所に住む人の名前・電話番号が閲覧可能。「個人情報公開サイトだ、けしからん！」と、怒り狂っている…

早速、私はマロン町の住所をググることにしました。グーグルアースで、建物の外観でも見ることができればと思ったのです。しかし残念ながら、マロン町は田舎すぎて、グーグルアース未対応でした。が、代わりに『住所でポン！』というサイトを発見。このサイ…

岩見沢市マロン町1-3250（仮）この住所は、彼が書いた婚姻届・借用書どちらにも記入してあります。借用書は、私の目の前で彼が何も見ずに書いたものです。【住基カードの住所】→恵庭市【婚姻届と借用書の住所】→岩見沢市うーん。。。。ひとつ言えることは、…

彼が一流の詐欺師ではない理由は、他にもあります。彼は、私の元に手がかりとなるものを残していったのです。それも、その後の調査の突破口となる、非常に大きな手がかりでした。それは、2通の書類。1通は、彼の欄だけが記入された婚姻届。もう1通は借用書。…

「くるみはホントに彼女でもなんでもないって。千歳でホステスやってる、俺の単なる友だちだから！なんなら、くるみに会わせてもいいよ、今度その店に行ってみる？あ、でもアイツ、マジで気ぃ強いから、kasucaに嫌な態度取るかも。俺のこと、くるみは一方的…

何ヶ月か前、私と彼の間に「くるみ事件」が起きました。「くるみ事件」とは・・・彼のラインの友だちに、「くるみ」という女性がいたのですが・・なんと「くるみ」は、プロフィール画像を彼とのツーショットにしていたのです。どゆこと？ 普通に考えて、その…

【名前】谷川大輔（仮名）【年齢】34【職業】社長（中古車ディーラー）【自宅】恵庭市【所有物件】恵庭市の自宅の他、札幌市内にマンション1室所有 ・・・私の記憶にある、会話から得た彼のデータです。あやしぃ！特に【職業】とか、【所有物件】の欄とか、…

彼に60万というお金を貸してしまってから、彼からの連絡は徐々に少なくなっていきました。そして・・・だまされたということが決定的になった時。私は気づいてしまったのです。「私、彼のことなんにも知らない！！」そうなのです。私に知らされていた情報・…

「通帳とカードと免許とか全部入ったバッグ落とした！」これがすべての始まりでした。あまりにもベタな男のウソを、私は見抜くことができなかったのです。だって、彼とは結婚の話が出ていたのですから。彼が困って、誰にも頼れないのなら、助けなくてはと思…

はじめましてこのたび、結婚詐欺にあったkasucaと申します。だまされた経緯・男との交渉・独自の調査方法・警察の対応や、弁護士への相談内容etc.。。。ゆっくり、じんわり語ってゆきます。結婚詐欺師（上） (新潮文庫)作者: 乃南アサ出版社/メーカー: 新潮…