新キャラ 薬剤師の男 その2

「手ぇ、ふるえてるよ」

グラスを持つ私の手が、小刻みにふるえているのを、佐藤は目ざとく見つけて指摘してきました。

自分ではまったく気づいてはいなかったのですが、どうやら私はかなり緊張していたようです。

場所はすすきのの居酒屋。

彼と佐藤の3人での飲みの席です。

「あ、ほんとだ!やだ、なんでだろ」

おろおろする私に、佐藤はにっこりと微笑んで

「俺、普段から薬局に来る患者さんの状態見てるじゃん?
だから、こういうとこでも、無意識に見ちゃうんだー ごめんね」

と、さわやかに説明するのでした。

佐藤は、かなり女の扱いに慣れているようでした。

酒の席での振る舞いにも、嫌味のない知性が感じられます。

服のセンスもいい。

実家の薬局を継いで裕福。

きっと、女にモテているに違いない。

一方、彼(谷川)は・・・どうなんだろう?

彼は佐藤を評して

「3高(高身長・高学歴・高収入)」

と言っていました。そして、

「でも、あいつは、背が高すぎて女にモテない」

とも。

いやいやいやいや・・・・・!!

それはないだろー背が?高すぎて?モテない???むりやりすぎ。

あんた、かなり佐藤に嫉妬してるよね!?

自分がチビっこ君だから?

それ、ちょっとはずかしくない?

と、心の中で突っこむ私なのでした。

不安も緊張も指先でたたくだけで消える

不安も緊張も指先でたたくだけで消える