野間口くんにコール
何年も連絡をとっていない知り合いに電話することは、かなり勇気がいることです
たとえその第一声が
「久しぶり〜元気だった?」
という、他愛もないものだったとしても・・
背後には、電話をするに至ったきっかけや理由が必ず存在するはずだから。
「理由やきっかけ」の例→孤独を感じて・ひまだったから・選挙応援・ねずみ講・・・
私の場合は→結婚詐欺にあったから
最悪です!
最悪な電話です!
しかし、私と野間口くんの間には学生時代の思い出・絆がある!!
きっとヤツなら、突然のコールも温かく受け入れてくれるはずだっ
お願い!
出てくれ!
(しばらくの間コール)
「ふぁい、野間口ですぅ」
昔と変わらない野間口くんの声が聞こえました
警察からの帰り道
警察からの帰り道を、私は絶望的な気分で歩きました
どこかで物事が上手く進む期待をしていた、そんな自分の甘さをかみしめつつ
被害者はおそらく私ひとり・・
被害金額も小さい・・・
そんなちっぽけな事件は、日本中にありふれすぎていて・・
「警察も忙しいんだよね」
細野刑事は、結局はこの言葉を言いたかったのでしょう
あーあ、これからどうしよっかな〜
もちろん、あきらめるという選択肢は私にはありません
歩道橋の上でスマホを取り出し、登録してある知り合いの名前をざっと見ていきます
【あ行】
相沢くん→実家の医院を継ぐため医学部入ったけど、おたく活動にのめりこみ留年をし、その後・・・
あゆみ→大手新聞社に入社し、上司と不倫したら相手の奥さんから慰謝料請求され・・・
栄治→任侠の世界に憧れ、小さな組の組長となるも、覚醒剤で・・・
・・【あ行】の知り合いも、なんだかんだ苦労をしています
辛抱強くみていくと、【な行】にいた【野間口くん】が目にとまりました
「野間口くん、君に決めた!!!」
野間口くんは大学時代の同級生で、社会人になってから細々と交流は続いていたものの、もう何年も連絡していません
野間口君は法学部で、司法試験のために頑張っていた!!
もしかしたら、運良く弁護士になっているかも!?
一縷の望みをかけて、野間口くんに電話してみました
札幌○署へ行ってみた その9
「結婚詐欺 結婚詐欺っていうけど、知っての通り『結婚詐欺』という容疑はない。
『詐欺』容疑になる。
で、詐欺が成立する条件としては、相手が確実に騙すつもりでいて金品をとったかどうかが重要なんだけど、正直、最初から確実にだますつもりだったかどうかなんて、立証が非常に難しい。
後で返すつもりだったけど返せなくなりました、って言われたら終わりだろう?
そうなるともう、民事不介入の原則でこっちとしては被害届の受理には慎重になってしまう。
証拠不十分で立件できない可能性が大きいからね
それから・・」
ここで細野はいったん言葉を切りました
「あんまり大きい声では言えないんだけどさ。。
あなたの場合、被害金額が小さいでしょ。
しかも、相手はおそらく初犯。
新聞沙汰になるようなのは、被害者がたくさんいるとか金額が莫大な人ばかりだろ?
警察はそういうケースじゃないと、そうそう事件にできないんだよ」
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札幌○署へ行ってみた その8
長いバトルの末。
「ニュースでよく結婚詐欺で捕まったとかやってますよね?
そういう事件と私の場合は、いったい何が違うんですか?
どうすれば、警察は詐欺だと認めてくれるんですか??」
と私が尋ねると・・・
細野刑事は疲れた様子で、長いため息をつきました
そして
少しの沈黙の後
「刑事としての本音」を私に語り始めたのです
刑事の仮面がとれかけた細野は、隙が見え隠れする渋い男性でした
ブランデーグラスの氷がカランと音をたてました
(↑勝手なイメージ映像です)
モナも、多分細野のこんな表情にヤラれたにちがいない!!
次回、細野議員・・じゃなかった細野刑事のホンネいきます
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札幌○署へ行ってみた その7
私がケータイ名義についてあれこれ思いをめぐらせている間
細野は再び奥の部屋に行き、上司となにやら話し合っているようでした
そして、こちらに戻ってきた時、細野は札幌○署としての方針を持ち帰ってきたのでありました!
それは・・・
「早くこの女を追い返す」
という方針です!!
以下、細野刑事の必死の説得です
「あのね、結論からいうとね、コレ詐欺かっていうと違うンだよね」
「え!でも、ウソついてお金取ったら詐欺ですよね!?」と、くいさがる私
「いやいや・・だからさ、あなた達、借用書交わしてるでしょ。それは貸金契約になるよね」
「でも、借用書なかったら証拠も何もないじゃないですか」
「しかも、今でも携帯に電話したらヤツとは連絡取れる状態なんでしょ?あなたの前から姿を消したわけでもないんでしょ?」
「そのケータイだって本人の名義じゃないじゃないですか!」
「それはたいした問題じゃないよ、それに、一部返金はされてるわけでしょ?これから少しずつ返すつもりなのかも知れないじゃない」
「そんなわけないですよ!全部最初から計画的にやってるんですから!」
も〜なんか両者大炎上。
闘牛のように立ち向かってくる私に、細野刑事も負けてはいません
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札幌○署へ行ってみた その6
【仮説3】
ガラケーの名義は家族・友達、もしくは赤の他人である
↑
なんか
「犯人は、男性、または女性、20〜30代もしくは40〜50代の・・」
という、有名な言説を彷彿とさせますが・・
もし、個人のケータイの番号が本人のものでなかった場合、その多くは「親」とか「兄弟」または「配偶者」「友達」のものであることが多いと思います
普通はね。
その理由はいろいろですが、プランの都合上とか、通話料金の支払いの都合上とか、または本人が「ケータイブラック」である場合とかね
ケータイブラックだとキャリアの審査が通らないから、やむなく家族や友達の副回線を持っている、という人はたくさんいることでしょう
問題は、名義がこのような「家族」「友達」ではないケース。
「赤の他人」・・・
縁もゆかりもない、「赤の他人」・・
その可能性を考えたとき、なんともいえない嫌な予想が私の頭をかけめぐりました
それは、まだ確定ではありません・・
でも、どす黒い不安は、確実に大きくなっていきます
もっと、彼の情報を集める必要がありそうです
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